2014/10/25

SOASという大学

このブログの更新も、残り2回としたいと思います。

長らく旅行の話ばかりしてましたが、
一応"留学"してたんだよ、ということで、
最後に少しは勉強の話を笑

今回は、僕が留学していたSOASと言う大学が、
どんなところだったのか、
ということでも書こうかと思います。

ブログ開始当初に少しは書きましたが、
まぁ1年間通ってみて、
この大学の魅力(≒変なところ)にたくさん出会えたので、
書き残しておこうかと。

まぁ簡単にいえば、

この大学は、絶対無二の大学なり!

といった感じでしょうか笑
(錦織フィーバーの影で、自分の中での松岡修造評価が急上昇中です笑)


SOASのメインキャンパス

SOASの正式名称は、
University of London, The School of Oriental and African Studies
日本語に訳すと、
ロンドン大学東洋アフリカ学院とでもなりましょうか。
後半の頭文字を取ってSOASと呼びます。
その名の通り、
東洋(≒アジア、中近東圏)と、
アフリカの研究に特化された大学です。

もう名前だけで絶対無二感が出てますね笑

このビデオを見てもらえれば、
その雰囲気が、もう少し伝わるのではないかと思います。

Meet the world at SOAS

カッコいいでしょ笑
そりゃPVなんですからカッコよくて当然なんですが…

とにかくDiversity(多様性)がキーワードになっている大学です。
でも学んでる内容は、Freak(マニアックでオタク的?)です笑
(この単語のニュアンスが合ってるかどうかはわかりません…)
もう一つ特徴を挙げれば、Hippie(ヒッピー)!!ですかね笑
という感じでSOASを簡単にご紹介。


ビデオにも出てきましたが、とにかく国際色豊かな大学です。
全学生数5000人くらいの小さな大学ですが、
学生の半分以上がイギリス国外からの留学生です。
なんでも130を超える国と地域から来てるとか。

もうキャンパス内は世界の縮図と言ってもいいくらいで、
ホントに色んな人が歩いています。

感覚的に、中国系やインド系が多いのも、
まさに今の両国の勢いを表しているようでした。
もっとも香港系イギリス人とか、
インド系イギリス人とかいるんで、
見た目=国籍ではありませんが…
もはや国籍という概念があまり重要でなくなってた気もします笑
それぞれバックグラウンドもバラバラなもんで、
僕みたいに両親日本人の日本生まれ日本育ちみたいな人は
逆にレアだったのかも笑
キリンビールも売ってる学内のバー

んでもって、どんなことを学んでるかというと、
学部・学科は以下のとおり、

The Faculty of Arts and Humanities (文化・人文科学)
 Anthropology and Sociology (文化人類学・社会学)
 Art and Archaeology (芸術・考古学)
 Music (音楽)
 History (歴史学)
    Study of Religions (宗教学)

The Faculty of Languages and Cultures (言語学・文化学)
 Africa (アフリカ)
 China and Inner Asia (中国・内アジア)
 Japan and Korea (日本・韓国)
 Linguistics (言語学)
 Near and Middle East (中近東)
 South Asia (南アジア)
 South East Asia (南東アジア)

The Faculty of Law and Social Sciences (法律学・社会科学)
    Development Studies (開発学)
    Economics (経済学)
    Financial & Management Studies (金融・経営学)
    Law (法学)
    Politics and International Studies (政治学・国際関係学)

大きく3つの学部(Faculty)に分かれていて、
その下に学科があるイメージ。
更に、Development Studies and Africaみたいな感じで、
組み合わせて学位を取れたりするので、
学べることも千差万別です。

しかし、共通して言えるのが、
アジア、アフリカ、中近東に特化した授業が多いこと。
例えば政治学科の授業も、
アジアの政治とか、アフリカの政治を学ぶ授業が多いので、
日本であるような名前の専攻でも、
学んでいる内容はだいぶ違ってくるかと思います。

というか、多分世界を見渡しても、
こういう勉強が専門的に出来る大学は、
殆ど無いのではないかと思います。
SOASの図書館は、
世界的に見ても珍しい資料がたくさんあるようですし。
アフリカのある民族の言語の、
ロシア語辞書とか見つけたことがあります笑
あと、日本の研究もしているので、
日本の本も多くて、小説とかも少しあります。

その辺がfreakというかnicheというか、
唯一無二なところじゃないでしょうか。
図書館はこんな感じ。試験前は机が埋まって大変でした。
何故かキャンパス内にあった日本庭園

そして、そんな大学に通うSOASianは、
自分の大学の変さ加減が大好きな人が多いです。
多様性を認める学風は、
「ユニークであること」・「変であること」
を賞賛する雰囲気があります。

そんな学風・文化と、研究対象の特性が相まって、
ヒッピーが多く、全体的に左に寄ってる感じです。
(日本だと、右翼、左翼というと
それだけで偏ってる印象がありますが、
別に悪い意味ではないです。)

その最たる例が、ストライキなどの運動ではないでしょうか。
しばしばヨーロッパ旅行者、在住者を苦しめるストライキ。
地下鉄や航空会社など、
交通機関が行うイメージが強いですが、
SOASでは大学がストライキの対象になります。
つまり、ストライキによって
授業が休みになるのです。

僕がいた1年間でたぶん3回くらいあったと思います。
確か最初の理由は、教授陣の待遇改善。
これに、学生側(Student Union)も同調。

ある平日にストライキを決行し、
校舎にピケを張って、
当日は教職員、学生一緒にデモを行っていました。
んでもって、
その時に大学施設に立てこもりをした学生が警察に捕まって、
彼のためのデモを行ったりも。
更に、大学の清掃員の待遇改善を求める学生団体が、
彼らのためのストライキを同時に実行したり、
日本で言う講師とかTA(Teaching Assistant)的立場の人々も、
自らの待遇改善を求めて、
論文の採点をボイコットしたりしてました。


おもしろいのは、基本的に今回の主張は、
学生にとってメリットのあるものでは、
必ずしもないところ何ですよね。
むしろ、教員や清掃員の人件費が上がれば、
学費が上る可能性だってあるわけで…
(ちなみにかつて学費が上げられた際には、
やっぱりストライキを行ったそうです。)

でも、そういった自分の利害を通り越して、
労働に対して正当な対価が支払われるべき、
という人権侵害に対する主張を大事にするのが、
SOASianなんです。
(もちろん、個人差はあります。)

また、世界のそういった問題にも敏感なので、
おそらく今頃は、香港のデモに関する運動などが
行われてるのではないでしょうか。

僕自身は、
積極的にそういった活動に関わることはしませんでしたが、
彼らの主張が書かれたフライヤーだったり、
facebookの投稿なんかを読んだりして、
理解には努めていました。

SOASが、そういった活動を賞賛し、
それがカッコいいとされる文化にあることは、
間違いないでしょうが、
自らの利害よりも社会正義を大事にする風潮は、
素敵だなと思いますし、
それこそ開発学なんかをやっていると、
大学で学んでいることが、
しっかり実践されているようでもあったかと思います。

そんな感じで、多くのSOASianは、
多様な文化が共存していて、
ちょっとマニアックなことを勉強していて、
ヒッピーでLove & Peaceが大好きな、
SOASを誇りに思っていますし、
僕もそうです。
こう書きながら、SOASに戻りたくて仕方がありません笑

存在意義が謎だったSOASのシンボルも今や恋しい存在

というわけで、そんなSOASを、
皮肉たっぷりに、
しかし愛たっぷりに紹介した動画を紹介して、
今回の記事を締めたいと思います。


So You Want to Study at SOAS


2014/10/05

弾丸パリボヤージュ2日目 〜美術館、観光名所、そしてアフリカ〜

さて、前回からの続きでパリ旅行のお話です。

2日目は、少しホステル周辺を散歩。
アフリカ系の移民が多い地域だったので、
市場などはまさにトーゴを思い出させるかのよう…
写真を撮ろうとしたら、当然のように怒られたので撮れませんでしたが…

というわけで、前日ばっちりアプリをダウンロードしたルーブル美術館へ。

ルーブルはとにかく広いので、有名どころだけを見て回ることに。
アプリの案内に沿って進みます。
(ちなみにアプリはこちらから)




芸術に疎い僕でも知ってる作品が目白押し。
そしてモナリザの前の異常な人だかりにも驚きました笑
(感覚でしかありませんが、
そういうところでのマナーの良さは欧米人>アジア人かと笑)

もう広すぎて見どころが多すぎて、
1時間30分くらいですまそうと思っていたものの、
大幅に時間オーバー…
しかし、2日間で行きたいところをまわるには、
いつまでもとどまっているわけには行かず、
後ろ髪を引かれながらもルーブルを後にします。





さて、次なる目的地は凱旋門。
時間短縮のため、メトロに乗って移動。
駆け足で最寄り駅の出口の階段を駆け上がると…




あれ、工事してる…?
警察官いっぱいいる…?
そしてなんでイギリス国旗…?

どうやら一部改装工事中で、
しかもこの日、エリザベス女王を招いての式典があるそうで、周囲は通行止め。
なんでこんな日に来ちゃったんだ…て感じでしたが、
意地で撮った写真がこちら↓


うーんやっぱり締まりませんね笑
次来た時のお楽しみにしましょう。



なんせ時間がないので、気を取り直して、次なる目的地へ。
さて、もうひとつのパリのシンボルといえば、こちら。

そう、エッフェル塔!


こちらは工事などもなく、ちゃんとしててくれました笑
若干ぶら下がってるテニスボールが気になりますが、
(どうやらテニスの大会があったよう)
凱旋門のがっかり感と比べたらへっちゃらです。
観光地はこうでなくては!(意味不)

さて、エッフェル塔を眺めながら
サンドイッチ(おいしい)をほうばった後は、
そのまま徒歩で次なる目的地へ。



実はパリに来てある意味一番楽しみだった場所です。
アジア、アフリカ、南アメリカ、オセアニアの展示ばかりがなされている、
世界でも唯一無二でないかと思われる美術館です。

当然私の興味はアフリカゾーン。
この旅で初めて音声ガイド(英語)を借り、
なんとルーブルよりも時間をかけてまわりました笑


大英博物館なんかと比べて、展示数が多いのはもちろんのこと、
東西南北の地域ごと、文化ごとに展示がなされていて、
好きな人にはたまらないところでした笑

博物館というより、美術館的な立ち位置なので、
あくまで芸術作品として展示がなされているのも良かったです。

ベナン周辺のFon族の作品

コンゴ民主共和国周辺の作品

カメルーン周辺のBamileke族の作品


セネガル周辺のDiola族のマスク

こんな感じですね。これとラーメンのためにパリに来たので、
もう満足です、お腹いっぱい。そして足もパンパン。
しかし、もう一つどうしても行きたいところがあったので、
そそくさと移動開始。



というわけで、2日間で5件目となる美術館は、


しかし、時すでに(少し)遅し…
常設展の展示はもう終わっており、入れたのは特別展だけでした。
とはいったものの、
その特別展は、Henri Cartier-Bressonという写真家の作品展。
正直全然知らなかったのですが、
なかなか前衛的な写真を撮る人で、写真集を買って帰りました笑

というわけで、怒涛の美術館、観光名所めぐりを満喫したパリ弾丸旅行はおしまい。
今度来る時はケチらずに長く滞在しようと決意し、
夜行バスでロンドンへと帰るのでした…