2014/03/03

イギリス旅行記その1 ~リヴァプールとマンチェスター~

しばらく真面目な投稿が続いたので、たまには軽い話を。

ということで、下書きのまま眠っていた記事を完成させようかと思います。
今回は、今まで勉強の合間を塗って訪れたイギリス国内観光・旅行の話を。

第一弾は11月に行った、Liverpool (リヴァプール)とManchester (マンチェスター)。







グレートブリテン島南部にあるロンドンと比べると北の方にあり、
バスで5-6時間程度かかる長旅でした。
(電車でも行けますが、バスのほうが安い場合が大半です。)

リヴァプールとマンチェスター、
どちらも日本人にとって馴染みの深い名前かと思います。
それぞれ、リヴァプールとエヴァートン、
マンチェスター・シティとマンチェスター・ユナイテッドという
サッカープレミアリーグのチームの本拠地があることで有名です。
あ、ちなみにイギリス人に"サッカー"って言ったら怒られます。
"フットボール"と呼びましょう笑
(今調べたら、この4チーム、3月3日現在全部7位以内なんですね。
 →http://www.premierleague.com/en-gb/)

更にリバプールは、かの有名なビートルズ誕生の地でもあります。

しかし、今回の旅のコンセプトは、
サッカーフットボールでもビートルズでもなく、
"奴隷貿易"でした。

もともと、この旅の発案者は、
現在アフリカ大陸一周のバス(というかトラック)ツアーに参加している先輩でした。
大阪大学でアフリカの言語や文化を勉強している先輩が、
そのツアーの出発地であるイギリスを訪れる際に、
是非行ってみたいということで、この旅行が決まりました。

リヴァプールはもともと海商都市として栄えた街ですが、
その貿易品の中には、アフリカ大陸からの"奴隷"も含まれていました。
リヴァプールにはそうした過去の負の歴史を記録した、国際奴隷博物館があります。
(International Slavery Museum: http://www.liverpoolmuseums.org.uk/ism/index.aspx)
そこを訪れるのが、今回の旅の目的でした。

リヴァプールの港の夜景。
かつてここに何人もの奴隷が連れて来られ、新大陸へと運ばれた。






国際奴隷博物館

奴隷を表現した像


その時の感想を言葉で表現するのは難しいですが、
かつて、沖縄、広島、長崎、知覧と第二次大戦の悲劇の地を訪れた時と同じような、
やり場のない怒りというか、途方も無い悲しみというか、
心臓をギュッと締め付けるような、衝撃がありました。

特に360度円形で囲まれた小部屋全体に映し出される、
奴隷船の中の様子を再現した映像は、
当時の奴隷の苦痛がありありと伝わるものでした。

"人を人として扱わない"ということに関しては、
奴隷貿易も戦争も共通したものがあるのではないでしょうか。
奴隷制度が終わり、人権概念が広がってきている今でも、
こうした"非人道的"な扱いはまだまだ残っていると思います。
負の歴史を記録し、人々の記憶に焼き付ける、こうした博物館や史跡は、
現代に生きる私達のあり方を見直す役割があるのかもしれません。

詳しい話に関しては、
先輩のブログにかかれていますので、興味があったら読んでみてください。
(http://ameblo.jp/susumuafrica/entry-11681197260.html)

というわけで、
以降はリヴァプールとマンチェスターの街並みを写真とともにご紹介します。
まずはリヴァプールから。


潮の香りが感じられる、まさに港町でした。

泊まったホステルがあったマシュー・ストリート(Mathew Street)は、
ビートルズがデビューしたキャバーンクラブ(Cavern Club)がある
ビートルズファンのメッカでした。
知らずに行って申し訳なかった…笑

ライブをしたバンドが刻まれています。
ビートルズは別格なのか個人の名前も。
他にもQueenやOasisなどイギリスを代表するバンドが…







ここからはマンチェスター。両都市間はバス、電車共に一時間弱で結ばれています。
イギリス第二の都市の名をバーミンガムと争うだけあり、結構な都会でした。
(ある人によれば、マンチェスターは大阪っぽく、バーミンガムは名古屋っぽいとか…笑)
マンチェスターは都会的要素と伝統的な建物が共存する街







PS2みたいだと盛り上がった建物







科学産業博物館
世界最初の旅客鉄道の駅舎を利用しているそうな。
産業革命発祥の国らしい展示でした。





マンチェスターに限らず、
雨に濡れた石畳はヨーロッパの夜景に映えます。





















というわけで、リヴァプールとマンチェスターの旅行記でした。
両都市ともに博物館・美術館が多く、サッカーフットボールが盛んなところ。
機会があれば是非訪れて、ゆっくりと観光したいものです。

そういえば、先ほど紹介したアフリカ一周中の先輩は、
アフリカの「語り」の歴史を集め、それを紡ぐために旅を続けています。
奴隷貿易の"歴史"も、今回のようにイギリスや西側諸国がまとめた"歴史"とは別に、
アフリカ各地で、口承により伝えられてきた"歴史"もあります。

彼がアフリカ一周の旅の前にこの旅を望んだのは、
この両者を比較するためでもありました。

そんな彼は、現在Ready for?でクラウドファンディングを行っています。

過去の文献資料から、西側諸国がまとめた歴史がある一方で、
アフリカの各地で彼が集める「語り」や「口述」による歴史は、
話し手の話し方、抑揚だけでなく、受け手側の感情、価値観、その場の空気、
時にはそこに加えられる音楽やダンスなどの作用によって、
毎回違った形が成される"アート"です。
そこには、文字では表現しきれない何かがあると思います。

アフリカの各地で彼が聞いてまわり、
彼自身の感受性、哲学に基づき紡ごうとする歴史は、
奴隷博物館とはまた違った形から、私達を写す鏡になるはずです。
(すでにブログにていくつか奴隷制に関する記事を書いています。

彼の意思に賛同し、歴史を紡ぐ旅に共感された方は、
ご協力(寄付、拡散)していただければと思います。

(全然軽い話じゃなくなってしまいましたね、すみません笑)

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