2014/02/09

ドラム、始めました。

実は、2学期になってから、新しく始めたことがあります。



ドラムです。




ドラムと言っても、いわゆるロックバンドのあれではなく、
僕が始めたのは、西アフリカの伝統的なドラムです。
SOASは、研究してる内容がコアなだけあり、
学生数が少ない(学部、院生合わせて5000人くらい)割に、
コアなSociety(日本で言うサークル)がたくさんあります。
(最近気になってるのは、Hummusという中東圏の料理の名を冠したHummus Society、
そんなピンポイントな料理が好きな人でも集まって、Societyを作れてしまうのがSOASなんです。)

そんなニッチなニーズに対応できてしまうSOASのSocietyのなかで、
2学期に入って、僕が新たに入ったのは、
West African Drumming and Dance SocietyというSocietyです。
これもまた、"African"ではなく"West African"と限定してるところが、
実にSOASっぽいところです。
もっとも東南アジアだと、国ごとにSocietyがあったりするので、
そこまで絞れていないと言えば、それまでなのですが、
やっぱりその国出身の学生数が、アジアとアフリカでは違うので、
仕方ないのかもしれません。

あと、これは想像ですが、
多くのアフリカ諸国にとって、現在の国境線は、
ヨーロッパの国々の都合で勝手に引かれたものだったりもするので、
それ以前から存在したドラムやダンスと言った文化は、
国ごとに分けるよりも、民族ごとに分けたほうが適切であったり、
隣の国々で似通っていたりする部分も大きいのかもしれません。
(この辺は今後調べてみたいと思います。)


僕は大学2年生の夏に、西アフリカのトーゴという国に
約2ヶ月間滞在した経験があるので、
アフリカの中でも、西アフリカには特に思い入れがあります。
(当時、ネット環境がない中で少しだけ書いたブログもあります笑
http://umi-yama-togo.blogspot.co.uk/)
滞在中、現地の伝統楽器であるDjembe(ジャンベ)と言うドラムを
体験したことがあって、
日本に買って帰らなかったことを後悔したくらい好きで、
またやりたいなぁーと思っていたところでした。
(ちなみに出国直前に渋谷のヴィレヴァンでDjembeを見つけたので、
帰国したら買おうかと思ってます笑)
Djembeと叩き方を教わった家の女の子@トーゴ





















しかし、そもそも僕は、あんまり音楽が得意ではなく、
楽譜もドレミファをカタカナで書きたい人でしたし、
リズム感もあんまりありません^^;
なので、個人的には音楽関係のSocietyに入るというのは
かなり躊躇しました。
しかし、前回書いたように、今年の目標を
「好奇心に忠実に、フットワークを軽く」
と定めていて、
日本ではなかなかこうした機会がないと思い、
挑戦することに決めました。

このSocietyでは、実際にartistとして活動している
ガーナの方(といっても若いので友達感覚ですが)が、教えに来てくださり、
週に1回、2-3時間程度練習しています。
トーゴでも教わったのですが、
ドラムには叩き方がいくつかあったりして、
いい音を出すのがなかなか難しいです。
今のところ、単純なリズムが多いのでなんとかついていけていますが…
あと、素手で叩いたりするので、翌日くらいまで、指の第二関節がズキズキします笑
今は主に、Kpanlogo(パンロゴ、パロゴ)と言うドラムを演奏しています。
歌っているのが先生で、その後ろ、Djembeの隣にあるずんぐりしたのがKpanlogoです。
ちなみにここはSOASの建物内にある学生の休憩所のようなところです。壁がいかにもSOASらしい笑


そして、昨日の土曜日に、
SOAS festivalがありまして、その中で、
West African Drumming and Dance Societyも演奏を披露しました。
まだ数回しか練習してないのに!と個人的には思っていましたが、
今回は非常に単純なリズムを繰り返すだけでしたのでなんとかなりました。
ドラムとダンスを教えてくれる先生とそのお父さんのパワーで、
観客を巻き込み、非常に楽しい時間でした。

演奏の様子

観客みんなでダンス!


素人が言うのもなんですが、
音楽、ダンスの力ってすごいですよね。
演者、観客一体になって一つの空間が作られる瞬間というのは、
言葉には表せない感動、快感があると思います。

このSocietyに入った時に言われたのですが、
西アフリカ(ガーナ)の人々にはアニミズム的な信仰観があって、
ドラム一つ見ても、一つ一つの部分が、
もともとspirit(霊魂、魂)を持つ木や動物の皮革を使っていて、
出来たドラムに対してもspiritがあると見ているそうです。

また、授業で読んだ文献の中にも、
こうしたドラムやダンスというのは、
宗教行事の際に、神や霊魂と対話するための
媒介として使われていた(いる)といった話もありました。

日本でも、自然物、人工物に"霊(魂)が宿る"と言った考え方はありますし、
盆踊りの際には中央のやぐらで太鼓が叩かれ、
その周りを人々が踊りますよね。
だから、個人的にはこうしたアニミズム的な信仰の残る
西アフリカの宗教観には共感を覚えますし、
また、こうした考え方はある種、
人類普遍のものである(あった)のではないかと思っています。

音楽やダンスの生む、独特の一体感から生まれる、
特殊な感動や快感というものを、
人々は神や霊魂と結びつけるのでしょう。

今は便利な時代なので、イヤホンでも音楽を聞けますが、
やはり音楽やアートの本質は、
こうした演者と観客の対話の中で、
その空間に一瞬だけ生まれる唯一無二の存在にあるのではないかと思うのです。

短い間しか、このSocietyで練習することは出来ませんが、
アフリカ文化を座学で学ぶだけでなく、
こうして五感を生かして色々と吸収できたらと思います。

(追記)
National Geographicのサイトで、ちょうどガーナのドラムとダンスの映像があったので、
興味のある方はぜひ。
http://video.nationalgeographic.co.uk/video/places/regions-places/africa-tc/ghana-drum-dance-eorg/



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